峰不二子と銭形警部。一方は己の欲望と自由のために世界を股にかける悪女であり、他方は国家の秩序と法を護るために人生を捧げる熱血警察官だ。ふたりの生き様は天と地ほどに離れている。しかし、彼らのやり取りには、決して相手を安易に蔑まない独特の敬意が存在する。
銭形は不二子の策略や嘘を熟知しながらも、その卓越した知性と度胸には一目を置いている。一方で不二子もまた、金や色仕掛けが一切通じない銭形の愚直なまでの正義感に対し、どこか呆れつつも絶対的な安心感を抱いている節がある。この危うい均衡こそが、長年ファンを惹きつけてやまない魅力の源泉だ。