シーズン中、DAZNやパ・リーグTVのライブ配信を通じてファンが目にするのは、華やかなファインプレーや歓喜のハイタッチだ。だが、シーズンが幕を閉じた直後のみずほPayPayドーム福岡のクラブハウスには、全く異なるドラマが流れている。ロッカーの私物を段ボール箱に詰め込み、慣れ親しんだ球場を後にする選手たちの背中がある。
プロ野球という世界は、入団した瞬間から引退へのカウントダウンが始まる場所だ。契約満了を告げられた者たちが交わす、静かな別れの挨拶。これまでライバルとして鎬を削り合ったチームメイトからの労い。スポットライトの当たらない秋の静寂にこそ、このスポーツの持つ本質的な切なさと人間の強さが凝縮されている。