テレビ界へ本格進出した裕次郎は、刑事ドラマの金字塔『太陽にほえろ!』でボスの愛称で親しまれる藤堂俊介役を演じた。七曲署のデスクにどっしりと腰を下ろすだけで漂う威厳。若手刑事を演じた共演陣が見上げる構図は、演技指導による演出を超え、肉体的なスケール感が自然に生み出したヒエラルキーだった。
続く『西部警察』では、大門軍団を率いる木暮課長としてショットガンを片手に登場。防弾ベストを着用しても着膨れせず、重火器を構えても体がぶれない体幹の強さは、恵まれた骨格があってこそのものだった。スタッフの証言によれば、ロケ現場に彼が現れるだけで周囲の空気がピンと張り詰め、実際の数値以上の巨躯に見えたという。まさにカリスマの名にふさわしい肉体性だった。