宝くじの当せん金が所得税の対象外とされる法的な根拠は、昭和23年に制定された「当せん金付証票法」第13条にある。そこには明瞭に「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない」と規定されている。一般的な給与所得や事業所得、株式の譲渡益とは異なり、所得税法第9条に列挙される各種の非課税規定とも軌を一にする形で、国家公認の完全な非課税所得として位置づけられているのだ。
なぜこれほど破格の優遇措置が認められているのか。理由は極めて合理的だ。宝くじの購入代金には、すでに約40%もの地方財政資金(実質的な税金)が前払いで組み込まれている。総務省の管轄のもと、全国の都道府県および政令指定都市へ収益金が納付され、道路や公立学校の整備、少子高齢化対策などの公共事業に直結している。購入した段階で重い負担を背負っている以上、当せん金にまで課税すれば「二重課税」になってしまうという論理が成立している。