派遣会社の求人広告に並ぶ「無期雇用」「月給制」「交通費支給」「安心の福利厚生」といった甘美なフレーズ。これらを目にして「派遣会社で正社員になれるなら、直接雇用の就活に失敗した自分でも再起できるのではないか」と期待を抱くのは無理もありません。しかし、現場に飛び込んだ転職者が直面するのは、正社員という名称がもたらす安心感とは程遠い、構造的な「社内外部者」としての孤独です。
無期雇用派遣がネット上で「絶対にやめとけ」と酷評される最大の原因は、派遣先の直接雇用正社員との圧倒的な待遇・処遇格差と業務選択権の喪失にあります。従来の登録型派遣であれば「時給が高く、残業が少なく、希望する勤務地」を自ら選ぶ自由がありました。ところが無期雇用派遣になると、雇用契約が継続している対価として、派遣会社が提示した案件を原則として断れない労働契約上の義務(業務命令)が発生します。
「大手企業で事務職ができる」と聞いて入社したにもかかわらず、配属されたのは郊外にある物流センターのデータ入力や、希望とは全く異なるコールセンター業務だったという事例は枚挙にいとまがありません。派遣会社側は待機費用を抑えるため、選り好みせず即座に利益を生む現場へスタッフを送り込もうとします。この「配属ガチャ」の厳しさと、いくら真面目に働いても現場の正規社員から「派遣さん」と一線を引かれる心理的疎外感が、強い後悔を生む引き金となっています。