インターネット上の掲示板やSNSでは、「熱が下がってから受けた検査が陰性だったから、普通の風邪だった」と早合点する投稿が散見されます。しかし、ここには診断上の重大な盲点が存在します。
市販のインフルエンザ検査キットで偽陰性となる理由の多くは、検体採取の手技不足や、ウイルスの排出量が減衰したタイミングでの検査に起因します。鼻の奥までしっかりと綿棒を挿入できていなかったり、発症から日数が経ちすぎていたりすると、感染しているにもかかわらず「陰性(偽陰性)」と判定されてしまうのです。また、インフルエンザで微熱の検査反応についても、体温の高さそのものよりも「粘膜上のウイルス抗原量」に左右されるため、微熱だからといって必ずしも陰性になるわけではありません。
さらに、「インフルエンザの検査で陰性なのに発熱が続く理由」としては以下の要因が挙げられます。
- 検査タイミングが早すぎたことによる初期の偽陰性:発熱後数時間で検査を受けた場合、翌日に再検査すると陽性に転じるケースが多発します。
- 別の病原体による重複感染・別疾患:新型コロナウイルス感染症、アデノウイルス、RSウイルス、溶連菌感染症、あるいは細菌性肺炎やマイコプラズマ肺炎などの併発です。
- インフルエンザ後の二次性細菌感染:ウイルスによって傷ついた気道粘膜に常在菌などが侵入し、解熱後に再び熱がぶり返すパターンです。
「熱が下がった」「陰性が出た」という一面的な情報だけで判断せず、自覚症状の推移や周囲の流行状況を総合的に考慮することが肝要です。