美輪明宏が「実際の身長よりも背が高く見える」と評される最大の要因は、計算し尽くされた舞台衣装と視覚的トリックにある。彼が舞台で着用する華麗なドレスや着物は、縦のラインを強調するシルエットで仕立てられていることが多い。さらに、高めのヒールやボリューム感のあるヘアスタイルを合わせることで、頭身のバランスを劇的に変化させている。
照明の当たり方から舞台上での重心の置き方まで、視覚的にいかに美しく見せるかを極限まで追求した演出美学。それこそが、観客に実寸以上の大柄な印象を与える「見え方の変化」を生み出している秘密だ。虚構と現実を巧みに織り交ぜる演出力こそ、彼の真骨頂である。