キャリアにおける最大の転換点となったのが、2014年に公開された主演映画『花宵道中』だ。吉原の花魁として生きる女性の哀愁と官能を身にまとい、果敢な演技を見せたこの作品は、長年付きまとっていた「天才子役」の残像を鮮やかに打ち砕いた。かつて所属したサンズエンタテインメント時代から培ってきた表現の深みと、彼女自身の強固な覚悟が見事に結実した瞬間だった。
儚くも美しい情念の世界を見事に演じ切り、各種映画賞でも高い評価を獲得。自らのキャリアに安住することなく、リスクを取って新しい領域へ飛び込む姿勢こそが、大人の女優としての揺るぎない地盤を築き上げたのだ。