狂気か、救済か。是枝裕和と坂元裕二の再タッグ作として注目を集める本作は、これまでの両者のイメージを鮮やかに覆す本格派サスペンス・スリラーだ。ヒューマンドラマのイメージが強い二人が、なぜ今あえて人間の闇を暴くサスペンスに挑んだのか。
撮影現場のスタッフが匿名を条件に語った制作裏話によれば、脚本の決定稿が完成したのはクランクイン前夜。坂元裕二が執筆した緻密なダイアローグと、是枝監督が得意とする即興的でドキュメンタリー的なアプローチが絶妙に融合した。暗く霧が立ち込める長野の深山で敢行されたロケーション撮影は苛烈を極め、現場には異様な緊迫感が漂っていたという。