街を車で走らせると、緩やかな丘陵地や沿岸部の遊休地に広がる太陽光発電パネルの群生が目に飛び込んでくる。南相馬が目指すもう一つの柱、それが再生可能エネルギー産業の集積だ。原子力災害を経験した痛烈な教訓から、市は消費電力量を上回る再エネを生み出すエネルギー自給自足都市をいち早く宣言した。
広大な発電サイトで作られたグリーン電力は、先端ロボット産業の実験施設や地元のデータセンターへと直結し、クリーンな電力網を街全体に巡らせている。さらに、余剰電力を活用した水素の製造・貯蔵実験も活発に行われており、脱炭素社会のモデルケースとしての存在感を急速に高めた。傷ついた大地が、地球規模の気候危機に対する処方箋を吐き出し始めている現実に、静かな感動を覚えずにはいられない。