歌手クミコの音楽的功績を語る上で欠かせないのが、数々の名曲との出会いと、妥協のない表現者としての軌跡です。
長い下積みを経て、2000年代に入るとその卓越した歌唱力が各界のトップクリエイターから再評価されます。作詞家・松本隆が彼女の歌声に惚れ込み、アルバムのトータルプロデュースを担当。日本語の美しさとシャンソンの叙情性が融合した楽曲群は、大人のポップスとして高い評価を獲得しました。
さらに2010年には、広島平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんをモチーフにした楽曲『INORI〜祈り〜』を発表。平和への切なる願いを歌い上げたこの曲は社会的な大反響を呼び、56歳にしてNHK紅白歌合戦に初出場を果たすという快挙を成し遂げました。
その後も、音楽プロデューサー・つんく♂との共作によるシングル『うまれてきてくれて ありがとう』など、ジャンルの垣根を越えた挑戦を継続。2011年3月11日には宮城県石巻市で被災した経験を持ち、被災地への復興支援コンサートなど、社会に寄り添う音楽活動を絶やすことなく続けています。