ドナルドダックの魅力と世界観の深さを語る上で欠かせないのが、精緻を極めたダック・ファミリーの家系図(家族構成)です。ディズニー界の伝説的コミック作家カール・バークスや、その設定を統合・体系化したドン・ローザによって描かれたダック一族の歴史は、世界中のファンを唸らせる一大サーガとなっています。
ドナルドの血縁関係において最も知名度が高いのが、3人の甥っ子たち「ヒューイ、デューイ、ルーイ」です。彼らにもまた、それぞれ立派な本名が割り当てられています。
- ヒューイ(赤の服):本名はヒューバート・ダック(Hubert Duck)
- デューイ(青の服):本名はデューテルノミー・ダック(Dewey / Deuteronomy Duck)
- ルーイ(緑の服):本名はルイス・ダック(Louis Duck)
彼らはドナルドの双子の姉(作品によっては妹とされる)であるデラ・ダック(Della Duck)の息子たちです。初期のコミックやアニメーションでは、いたずらっ子の3人が父親の椅子の下に爆竹を仕掛けて大怪我をさせたため、デラから「少しの間だけ預かってほしい」と手紙付きでドナルドのもとへ送られてきたのが同居の始まりでした。しかし、そのまま母親が迎えに来ることはなく、ドナルドが実質的な保護者・育ての親として彼らを深い愛情で育て上げることになります。
さらに忘れてはならないのが、世界一の大富豪にしてドナルドの伯父(母ホーテンス・マクダックの兄)であるスクルージ・マクダックです。ドナルドはしばしば、極度の守銭奴であるスクルージに安い時給でこき使われたり、世界中のお宝探しの過酷な冒険に無理やり同行させられたりします。また、母方の叔父(義理の叔父)には、何でも知っている風変わりな天才学者ルードヴィヒ・フォン・ドレイク教授も名を連ねています。
短気で喧嘩っ早い性格のドナルドですが、一族のトラブルや気まぐれに振り回されながらも、最終的には家族の絆を何よりも大切にする。この重層的なファミリー設定こそが、彼の人間味あふれるドラマを何十年にもわたって支え続けています。