ウィ・アー・ザ・ワールド歌唱順と参加者一覧|プリンス不参加とディラン困惑の真相

ウィ・アー・ザ・ワールド歌唱順と参加者一覧|プリンス不参加とディラン困惑の真相

ウィ・アー・ザ・ワールド歌唱順と参加者一覧|プリンス不参加とディラン困惑の真相の要点や背景をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。

レコーディング映像の中で、現在もファンの間で語り草となっているのが「完全に居場所を失い、困惑しきっていたボブ・ディラン」の姿です。

フォークやロックの文脈で、自身の言葉と荒削りなメロディを紡いできたディランにとって、80年代の煌びやかなポップスターたちが集うスタジオは、極めて異質な空間でした。全員でコーラスを練習する場面でも、周囲が体を揺らして手拍子をする中、ディランだけは視線を泳がせ、口を固く結んだまま立ち尽くしていました。

特にディランを追い詰めたのが、終盤のソロパートのレコーディングでした。マイケルやライオネルのような洗練された歌い回しを求められているのではないかという重圧から、ディランは声が出ず、自信を完全に喪失していたのです。

その空気を一変させたのが、スティーヴィー・ワンダーの卓越した機転でした。

スティーヴィーはディランをピアノの前に招くと、なんと「ボブ・ディランのモノマネ」をしながらピアノを弾き始めました。「ボブ、君はこうやって歌うんだ。君自身の声で、君の歌い方でいいんだよ」と、ディランの節回しを完璧に模倣してメロディをガイドしたのです。

このユーモアと敬意に満ちたアプローチによって緊張が解けたディランは、あの唯一無二のしゃがれた歌声で「There's a choice we're making...」とマイクに向かって歌い上げました。OKテイクが出た瞬間、ディランが見せた安堵の笑顔とクインシーとの抱擁は、スタジオが真の意味で一つになった瞬間を象徴しています。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。