近年、プロの建築現場や木工作業場でも普及が進んでいるのが「替刃式鉋」です。手研ぎを必要とする従来の本鉋と、使い捨て刃を採用した替刃式鉋にはどのような実用上の違いがあるのでしょうか。
大工道具専門店や建築現場のヒアリング調査によると、内装造作やリフォーム現場の職人の間では「石膏ボードの加工や集成材削り、現場への携行用には圧倒的に替刃式が便利」という声が多数を占めます。硬質接着剤を含む合板や集成材は刃こぼれが起きやすく、本鉋を頻繁に研ぎ直す手間を削減できるためです。
一方で、家具製作工房や社寺建築に携わる職人からは、「無垢材の最終仕上げにおける艶と滑らかさは、天然砥石で極限まで研ぎ上げた本鉋でなければ出せない」という確固たる意見が寄せられています。替刃式は工業的に均一な鋭利さを持つものの、刃先の鋭さの限界値や、材種に合わせて刃先形状をミクロン単位で微調整する自由度においては本鉋に軍配が上がります。