夏のパリ旅行 夏の服装を計画する際、最も警戒すべきはパリ 7月 8月 気温と服装の急激な変化です。パリは西岸海洋性気候に属し、通常は湿度が低くカラッとした快適な夏を迎えます。しかし近年は地球規模の気象変動により、アフリカ大陸からの熱波が押し寄せる「カニキュール(Canicule)」と呼ばれる猛暑現象が常態化しています。
フランス気象庁の統計によると、通常時の7〜8月の平均最高気温は25度〜27度前後で推移するものの、カニキュール警報が発令されると連日38度〜41度に達します。ここで日本の猛暑対策と根本的に異なる障壁となるのが、建物の空調普及率の低さです。パリ市内の歴史的建造物保護令や景観規制により、一般住宅やアパルトマンだけでなく、中小規模のホテル、老舗レストラン、メトロ(地下鉄)の旧型車両(特に6号線や13号線など)にはエアコンがほぼ設置されていません。
室内に熱がこもり続けるカニキュール期間中は、肌に密着しない風通しの良いリネン(麻)や上質なオーガニックコットン素材のアイテムが生命線となります。一方で、北海からの寒気団が南下すると、最高気温が20度を下回り、早朝や深夜には13度〜15度まで急降下することも珍しくありません。この過酷な環境を生き抜くためには、脱ぎ着が容易でシワになりにくい「薄手の上質な羽織もの」を常に携行するレイヤード思考が欠かせません。