高卒と大卒の生涯年収差を徹底検証!手取り・退職金と逆転の真相

高卒と大卒の生涯年収差を徹底検証!手取り・退職金と逆転の真相

高卒と大卒の生涯年収差を徹底検証!手取り・退職金と逆転の真相の要点や背景をコンパクトにまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

世の中に溢れる「4,000万円の格差」という数字には、日本の累進課税制度と社会保険料の負担増という決定的なファクターが抜け落ちています。実際に銀行口座へ振り込まれる可処分所得(手取り額)ベースで試算を行う生涯年収手取りシミュレーションを実施すると、全く異なる実態が浮かび上がってきます。

日本の一律・累進課税システムにおいて、額面年収が上がるほど所得税率・住民税率・社会保険料率は跳ね上がります。額面2億8,000万円の大卒者の場合、生涯の手取り額はおよそ2億1,000万円前後(手取り率約75%)まで目減りします。対して額面2億2,000万円の高卒者の場合、手取り額は約1億7,000万円前後(手取り率約78〜80%)となり、この時点ですでに手取り格差は約4,000万円まで圧縮されます。

さらに見過ごせないのが学歴別退職金比較と大学費用の存在です。厚生労働省の就労条件総合調査などを基にした最新推計によると、定年退職金の中央値・平均値は以下の通りです。

  • 大卒(勤続35年以上):平均 約1,800万〜2,200万円(手取り約1,650万〜2,000万円)
  • 高卒(勤続35年以上):平均 約1,300万〜1,600万円(手取り約1,200万〜1,500万円)

退職金単体で見れば大卒が約500万円リードしますが、ここへ大学費用と生涯年収の回収期間を組み込む必要があります。私立文系大学へ進学した場合の4年間の学費・諸経費は約450万〜550万円、私立理系なら約600万〜800万円。一人暮らしの仕送りや生活費を含めれば総額800万〜1,200万円のキャッシュアウトが発生します。さらに、高卒者が18歳から22歳までの4年間に稼ぎ出す手取り収入(約800万〜1,000万円)の「機会利益」を考慮すると、大卒の初期投資と空白期間のハンデは実質1,600万〜2,000万円規模に達します。

これらを手取り賃金および退職金から差し引くと、大卒と高卒の純粋な「手元に残る富の差」は、生涯を通じて実質1,500万〜2,500万円程度にまで縮小することがデータ上実証されています。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。