世間には「飛行機が事故を起こせば全員絶望的」という固定観念が根強く存在します。しかし、アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)の大規模調査によると、発生したすべての航空事故における飛行機事故生存率は約95%以上という驚くべき記録が残されています。
滑走路逸脱、胴体着陸、エンジン不時着など、報道される深刻なトラブルの大半において乗客乗員は無事に脱出しています。致命傷を負う事態は極めて例外的な局面に限られます。
生存率を左右する要素としてメディアで度々取り沙汰されるのが飛行機の安全な座席位置です。米TIME誌が過去35年間の航空機事故データを詳細に検証した調査では、機体後方の座席(死亡率約32%)が、前方座席(死亡率約38%)や主翼付近の中央席(死亡率約39%)に比べて統計上の死亡率が低い傾向が示されました。
現場の航空安全専門家や客室乗務員の証言によれば、座席の前後関係以上に決定的なのは「非常口からの距離」です。安全工学では「非常口から5列以内の座席」が最も迅速に機外脱出できる黄金ゾーンとされています。パニック時において生存を分ける最大の要因は、衝撃そのものよりも脱出時の煙や有毒ガスからの避難速度にあるためです。