本作の楽曲群は、ストーリーの展開と密接にリンクした伏線としての歌詞が多数散りばめられています。作詞を手掛けた野田洋次郎氏の言葉選びには、三葉と瀧が経験する「時空を超えた結びつき」が鮮やかに投影されています。
顕著な例が「スパークル」の一節にある「運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を 伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする」というフレーズです。これは、3年の時間差という物理的な隔たりや、忘却の波に引き裂かれそうになりながらも惹かれ合う2人の魂の関係性を鋭く言い当てています。
「辞書にある言葉じゃ 出来損ないのオーディション」という表現も、既存の言葉では説明のつかない「結び(ムスビ)」の力を示唆しています。音楽そのものがセリフ以上の情報量を持ち、物語の裏テーマを雄弁に物語っている点こそ、本作が誇る音楽的マジックです。