近年、多汗症に対する医療現場の選択肢は飛躍的に進化しています。従来は塩化アルミニウム液の外用薬が中心でしたが、現在では原発性手掌多汗症や原発性腋窩多汗症に対して保険適用となる抗コリン外用薬(ゲル剤やワイプ製剤)が処方可能となり、第一選択として広く普及しています。
外用薬で十分な効果が得られない場合、手足の汗には微弱な電流を流した水に手足を浸す「イオントフォレーシス療法」、重度のワキ汗には交感神経からの信号をブロックする「ボツリヌス菌毒素(ボトックス)局所注射」が有効です。重症例では交感神経を遮断する内視鏡手術(ETS手術)も検討されますが、術後に他の部位からの発汗が増える「代償性発汗」のリスクがあるため、医師と慎重なカウンセリングを重ねることが不可欠です。