激変する高校陸上界を支えているのは、間違いなく中学年代の環境変化です。鹿児島中学総体陸上の現場を取材すると、以前のような「教員が放課後に指導する公立中陸上部」中心の風景から、専門の民間アカデミーや地域総合型クラブのユニフォームを着た中学生がトラックを躍動する姿へとシフトしています。
現場の保護者や指導者に聞き込みを行うと、鹿児島陸上クラブチームの評判は二分されているのが現状です。好意的な意見としては以下のような生の声が聞かれます。
「元実業団選手や理学療法士が常駐するクラブでは、成長期の関節炎やシンスプリントを徹底的に予防しながら走りを科学してくれる。昔のような根性論の走り込みがなく、子どもが笑顔で競技を続けている」(県内中学生の保護者)
一方で、課題を指摘する声も少なくありません。月謝や遠征費などの経済的負担、週末の送迎負担に対する家庭間格差、さらには学校部活動との二重登録問題など、育成現場における調整コストは確実に増大しています。単に「強いクラブに入れば安心」という単純な構図ではなく、指導者の指導哲学やコンディショニング管理の質を保護者がシビアに見極めなければならない時代に入ったと言えます。