遠方から初めて訪れる来場者が最も戸惑うのが、「名古屋文理大学文化フォーラム」というインパクトのある施設名です。SNS上でも「大学の学園祭会場と間違えてキャンパスの正門に行ってしまった」「大学の施設だから一般人は入れないのかと思った」といった声が散見されます。
この名称が生まれた背景には、自治体における財政基盤の強化と地域貢献を結びつけたネーミングライツ契約の経緯が存在します。稲沢市公式発表の市民会館利用案内や市議会の公開資料によると、稲沢市は公の施設の有効活用と新たな財源確保を目的に施設命名権の公募を実施。これに応募したのが、同市内に「稲沢キャンパス」を構える学校法人滝川学園(名古屋文理大学)でした。
同大学の稲沢キャンパスは施設から北西約2キロメートルの至近距離に位置しており、健康生活学部や情報メディア学部などを展開しています。大学側としては「地元・稲沢市への地域社会貢献」と「受験生や東海圏におけるブランド知名度の向上」という明確な狙いがあり、市側としても地元に根ざした高等教育機関との強固なパートナーシップを結べることから契約が締結されました。
つまり、名古屋文理大学の命名権の真相とは、単なる商業スポンサーシップを超えた、自治体と地元大学による官学連携プロジェクトの象徴なのです。施設内には大学関連の案内板やパンフレットが設置されているものの、施設の所有権は現在も稲沢市にあり、指定管理者制度のもとで一般利用や各種公演に広く開放されています。