街のランドスケープを根本から書き換える契機となったのが、2022年春の星野リゾートOMO7大阪の開業と、それに連動した新今宮駅再開発です。南海電鉄・JR新今宮駅の北側に広大な芝生広場(みやぐりん)を擁する洗練された高級ホテルが出現したことは、関西の都市計画史における象徴的なエポックメイキングとなりました。
かつて「新今宮駅の南出口には絶対に降りるな」と教えられて育った大阪市民にとって、ハイセンスな旅行者が新今宮駅を行き交う光景は隔世の感があります。駅構内のリニューアル、周辺歩道の美装化、大手飲食チェーンやコンビニの進出が相次ぎ、駅周辺の視界は格段に明るくなりました。
しかし、線路を挟んだ南側の萩之茶屋ドヤ街に目を向けると、コントラストは依然として鮮明です。北側のラグジュアリーなリゾート空間と、南側に残る昭和の木造長屋や簡易宿所の街並み。この極端な二重構造は、都市社会学で言う「ジェントリフィケーション(都市の富裕化・高級化)」のリアルな最前線として、国内外の都市研究者からも熱い視線を集めています。