かつては商売の王道だった御用聞きですが、現代のビジネスシーン、とりわけ企業間取引(BtoB)の現場では「御用聞き営業では生き残れない」と厳しく指摘されています。御用聞き営業がダメな理由は、大きく分けて3つの構造的欠陥にあります。
第1に、顧客自身が気づいていない「潜在課題」を解決できない点です。御用聞きはあくまで顧客から「これをちょうだい」と言われたものを用立てる受動的なスタンスに依存します。しかし、情報化が進んだ現在、顧客は自社の顕在ニーズに対する解決策をWeb検索で簡単に見つけられます。言われたものを用意するだけの営業担当者は、もはや介在価値を失ってしまいます。
第2に、激しい価格競争に巻き込まれるリスクです。「言われた通りの仕様・商品」をそのまま見積もる場合、他社との差別化要素は「価格の安さ」や「納期の早さ」しか残りません。結果として利益率を削り合う消耗戦に陥ります。
第3に、競合他社によるリプレイスへの脆弱さです。顧客が自社の課題に悩んでいるとき、他社からより本質的な改善提案を持ちかけられると、長年通い詰めていた御用聞き営業はいとも簡単に契約を奪われてしまいます。「いつも顔を出してくれるから」という人情だけでは、シビアな費用対効果を求める現代の調達基準を突破できません。