強火で一気に表面を焼き固めようとすると、皮の表面だけが焦げて内部の脂が抜けきらず、油っぽさが残ってしまいます。ここで採用すべきが「コールドスタート(冷たいフライパンから焼き始める技法)」です。
油を引かない(またはごく薄く塗った)冷たいフライパンに、皮目をしっかりと広げた鶏もも肉を並べ、そこから弱めの中火に点火します。皮目からじっくり焼く真相は、急激な熱収縮による肉のパサつきを防ぎ、内部の筋繊維を縮めずに柔らかさを保つ点にあります。
時間配分の黄金比は「皮目8割:身2割」です。パチパチという軽快な音が立ち始めてから約7〜9分、皮がキツネ色になり、肉のフチが白っぽく変わるまで動かさずにじっくり熱を通します。肉をひっくり返したら、火を弱火に落として約2〜3分。最後は火を止めて余熱で1〜2分休ませるだけで、驚くほどふっくらとジューシーな仕上がりになります。