セーフティバントとは、打者自らが一塁でセーフになること(出塁)を最大の目的として行う奇襲バントです。英語の「Safety(安全に生きる)」に由来し、一般的なバントのように自らを犠牲にする意図はありません。
野球のバント戦術にはいくつかの種類が存在し、しばしば混同されます。それぞれの特徴と明確な相違点は以下の通りです。
1. 送りバント(犠打)との違い
送りバントは、自らのアウトと引き換えに走者を次の塁へ進める「自己犠牲」が前提です。そのため、投手が投球モーションに入る前からバントの構えを見せることが多く、確実にフェアグラウンドへ転がす技術が求められます。これに対し、セーフティバントは打者自身の出塁が主目的であるため、投球のリリース直前までヒッティングの構えを保ち、守備陣のチャージを遅らせる必要があります。
2. ドラッグバントとの違い
ドラッグバントは、主に左打者がバットにボールを当てると同時に一塁方向へ走り出す(引きずる=Drag)技術を指します。広義にはセーフティバントの一種ですが、セーフティバントが「打席内でしっかりボールを殺して転がす」のに対し、ドラッグバントは「走り抜ける勢いを打球に乗せて一二塁間へ転がす」という動作の違いがあります。
3. セーフティスクイズとの違い
セーフティスクイズは、三塁走者が投球と同時にスタートを切るのではなく、打者がバントした打球の行方を確認してから本塁へ突入する戦術です。打者自身のアウト・セーフに関わらず得点を狙うチーム戦術であり、打者が出塁のみを狙う単独のセーフティバントとは作戦意図が異なります。