ネット上のQ&AサイトやSNSでは、愛犬のお腹のトラブルに関して誤った家庭療法が拡散されている場面が見受けられます。良かれと思って行ったケアが愛犬の病状をかえって悪化させるケースがあるため、以下の3つの誤解を正しく認識しておきましょう。
誤解1:人間用のビオフェルミンを自己判断で飲ませても無害?
「犬のお腹が鳴るなら人間用の新ビオフェルミンSを与えれば治る」という言説を鵜呑みにするのは危険です。確かにビオフェルミンに含まれる乳酸菌(ビフィズス菌・フェカリス菌・アシドフィルス菌)自体は犬に対しても毒性はありません。しかし、犬の整腸剤としてビオフェルミンの与え方を誤ると、錠剤に含まれる賦形剤や甘味料に対するアレルギー反応を起こすリスクがあります。何より、膵炎や腸閉塞といった重篤な病気が隠れていた場合、市販薬で様子を見ることで「受診の遅れ」を招くことが最大の脅威です。投薬は必ず獣医師の診断後に行ってください。
誤解2:お腹が鳴ったら丸一日以上の長期絶食をさせるべき?
胃腸を休める目的での犬のお腹がキュルキュル鳴るときの絶食は有効な手段ですが、期間設定には注意が必要です。成犬であっても12時間以上の完全絶食は胃酸過多を助長し、黄色い胆汁や白い泡状の胃液を嘔吐する「胆汁嘔吐症候群」を誘発することがあります。特に生後6ヶ月未満の子犬や極小サイズのトイ犬種において長時間の絶食を行うと、低血糖発作を起こして意識障害に陥るリスクがあるため、自己判断での長期絶食は禁忌です。
誤解3:温めればあらゆる腹痛は緩和する?
お腹を温める温罨法(おんあんぽう)は、冷えによる一過性の腸ぜん動異常には効果を発揮しますが、急性膵炎や細菌性腹膜炎などの活動性炎症がある部位を外部から過剰に温めると、局所の充血・炎症を促進してしまうリスクがあります。