見落とされがちな落とし穴は果物にとどまらない。サプリメントや嗜好品の中にも、降圧剤の効き目を狂わせる強力な因子が潜んでいる。代表例が、メンタルケアやリラックス目的でハーブティーやサプリメントに広く使われているセント・ジョーンズ・ワート(西洋オトギリソウ)だ。
セント・ジョーンズ・ワート(西洋オトギリソウ)は柑橘類とは逆の作用を示す。CYP3A4(薬物代謝酵素)の働きを過剰に活性化させ、薬の分解を極端に早めてしまうのだ。結果としてアムロジピンやニフェジピンといった薬の成分が効かなくなり、血圧が危険な水準まで跳ね上がる。知らず知らずのうちに治療が失敗する背景には、こうしたサプリメントの摂取が隠れていることが少なくない。
さらに、甘草(生薬名:カンゾウ)を配合した漢方薬や食品の過剰摂取は偽アルドステロン症を招き、重篤な血圧上昇やカリウム低下を引き起こす。また、毎日の飲酒習慣も血管拡張を加速させ、薬との相乗効果で起立性低血圧を引き起こす大きな要因となる。