現場取材やSNS上の当事者の声を集約すると、20代から50代のデスクワーカーを中心に「夕方になると息苦しい」「息の吸い方が分からなくなる」といった訴えが顕著に増加しています。この現象の背景にある物理的要因が、頭部が前方へ突き出る「ストレートネック(スマホ首)」と「巻き肩」です。
人間の頭部の重量は約5kgありますが、前傾角度が30度になると首にかかる負荷は約18kg、60度では約27kgに跳ね上がります。頭部を支えるために首や鎖骨周りの筋肉が異常硬縮すると、息を吸う際に肋骨を持ち上げる動きがロックされ、スマホ首による呼吸困難や胸部の圧迫感が発生します。
さらに見過ごせないのが、画面に没頭するあまり呼吸を数秒間止めてしまう「スクリーン・アプニア(画面注視時の無呼吸症候群)」です。オフィスワーカーへのヒアリングでも「チャットツールで返信を打っている間、完全に息を止めていた」「集中が切れた瞬間に大きなため息をついてハッと我に返る」といった証言が多数得られています。デジタルデバイスの長時間利用が、物理的・神経的の双方から呼吸を阻害している実態が浮き彫りになっています。