ソウシチョウの生息地分布は、かつては九州(くじゅう連山など)や四国、中国地方の一部に限られていました。しかし現在、その勢力は関西の六甲山系生駒山系、中部地方の山岳地帯、さらには関東(丹沢山地、筑波山、奥多摩)を経て東北地方南部にまで拡大を続けています。
日本野鳥の会や自治体のモニタリング調査によると、ソウシチョウは標高1,000メートルを超える亜高山帯から、人里近い都市近郊の緑地・雑木林まで幅広く侵入しています。特に問題視されているのが、国立公園や自然保護区といった生物多様性の保全上きわめて重要なエリアでの爆発的増殖です。
ソウシチョウは雑食性であり、昆虫類だけでなく木の実や植物の種子も大量に消費します。これにより、在来野鳥との食料競合が発生するだけでなく、特定の樹種の種子散布パターンを改変してしまうなど、植物群落の構造変化を引き起こすリスクも指摘されています。森の静けさを破るその声は、生態系バランスの崩壊を告げるシグナルとなっているのが実態です。