大手釣り情報プラットフォーム「TSURI HACK」が実施した読者アンケートでも、ダツは「釣れても海へリリースされがちな魚」の第7位前後に名を連ねるなど、一般的な釣魚としての扱いはお世辞にも高いとは言えません。波止釣りや船釣りで掛かると、多くの釣り人が針を外して即座にリリースしてしまうのが長年の現場風景でした。
その最大の原因は、独特の容姿からくる先入観と、小骨の多さにあります。一口かじって「骨が多くて食べにくい」「身が水っぽくて淡白すぎる」と烙印を押され、そのまま不味い魚としてのイメージが定着してしまった経緯があります。しかし、ダツの味と評判を現地で丹念に取材すると、全く異なる証言が浮かび上がってきます。
実際に適切な血抜きと冷却を行い、刺身や加熱調理を試みた釣り人や料理人からは「クセのない上品な旨味がある」「サヨリの上位互換になり得る」「天ぷらや唐揚げにするとふっくらとして絶品」という声が多数上がっています。身質自体は臭みが極めて少なく、脂の乗りが良い個体であれば甘みすら感じられます。低評価の原因は魚自体の不味さではなく、ダツ下処理のコツを知らずに雑な調理をしてしまったことによる悲劇だったのです。