子宮全摘・腹腔鏡の術後痛はいつまで?ピークとリアルな回復経過まとめ

子宮全摘・腹腔鏡の術後痛はいつまで?ピークとリアルな回復経過まとめ

子宮全摘・腹腔鏡の術後痛はいつまで?ピークとリアルな回復経過まとめについての最新情報をご紹介します。

体験談ブログを精読すると、「処方されたロキソニンを飲んでもまったく痛みが引かない」という切迫した記述に頻繁に出くわします。これは患者の痛覚が過敏になっているわけではなく、医学的に明確な理由があります。

一般的な非ステロイド性抗炎症薬(ロキソプロフェンなど)は、末梢組織の炎症によって産生されるプロスタグランジンを抑制する薬です。しかし、患者が「子宮摘出後のガス痛対策が分からない」「肩が外れるように痛い」と訴える痛みの主因は、腹腔鏡手術の術野確保のために注入された炭酸ガスが腹腔内に残留し、横隔膜や神経(横隔神経)を直接圧迫・伸展させることによって引き起こされる「放散痛」です。炎症性の痛みではないため、子宮全摘の術後にロキソニンが効かないと感じるのはある種当然の薬理反応といえます。

このガス痛を和らげる最も確実な方法は、無理のない範囲での「早期離床と歩行」です。歩行によって腸管運動が活発化し、腹腔内および消化管内のガス移動が促されます。また、肩や背中を温湿布やホットパックで温める物理療法も、筋緊張をほぐす上で効果的です。それでも我慢できない場合は、ロキソニン単剤に頼らず、中枢神経に作用するアセトアミノフェンやオピオイド系鎮痛薬、座薬(ジクロフェナク坐剤など)への変更を主治医に躊躇なく申し出る必要があります。

また、腹腔鏡手術後の排尿痛の原因については、術中に留置されていた尿道カテーテルによる尿道粘膜の機械的擦過や軽微な浮腫が主要因です。通常は抜去後2〜3日で治まりますが、排尿終わりの痛みが1週間以上続く、残尿感が強い、あるいは発熱を伴う場合は、膀胱炎などの尿路感染症を併発している可能性があるため、尿検査の受診が必須となります。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。