麻疹ウイルスの感染力は、あらゆる感染症の中でもトップクラスです。インフルエンザや新型コロナウイルスが主に飛沫感染や接触感染であるのに対し、麻疹は「空気感染(飛沫核感染)」を起こします。ウイルス粒子が空気中に長時間浮遊するため、同じ空間にいるだけで、マスク越しやすれ違いざまでも吸入感染する危険があります。
1人の感染者が免疫を持たない集団に入った場合、何人に感染させるかを示す基本再生産数(R0)を比較すると、その破壊力が浮き彫りになります。
- 季節性インフルエンザ:約1.2〜1.5人
- 新型コロナウイルス(従来株):約2.5〜3人
- 麻疹(はしか):12〜18人
麻疹の潜伏期間は約10〜12日(最大21日程度)です。感染初期の「カタル期」と呼ばれる発熱や咳、鼻水が出る時期に最も感染力が強く、この段階では一般的な風邪と区別がつかない点が感染拡大を招く要因となっています。