第二次検定の経験記述で頻出する3大テーマ「安全管理」「品質管理」「工程管理」について、令和6年度以降の新傾向に対応した最新テンプレートと模範記述例を提示します。自身の担当工事に置き換えてカスタマイズする際の設計図として活用してください。
1. 安全管理:重機災害・公衆災害防止の記述例
【工事概要(設定)】 市道拡幅に伴う道路改良工事(プレキャストL型擁壁工 L=85m、大型ブレーカー掘削 V=420m3)
【現場状況・特有の制約】 施工ヤードは片側1車線の幹線道路に隣接し、路肩から電線(6600V高圧線)離隔が2.8mと極めて近接。さらに日交通量が約1万2000台と過密な現場状況であった。
【技術的課題】 バックホウによる掘削積込み作業およびクレーンによる擁壁据付け時における、架空高圧線への接触感電事故および一般通行車両への資材飛来・接触事故の防止。
【検討事項・理由】 作業半径を制限する機械的ストッパーの設置と、ブーム先端への絶縁カバー装着の有効性を検討した。また、クレーン作業時の旋回規制エリア設定と誘導員配置計画を照らし合わせ、重機仕様の選定を実施した。
【とった処置・具体的対策】 重機作業半径内に超音波式障害物検知センサーを設置し、電線から離隔2.0m以内で自動停止する制御装置を導入した。また、仮囲い上部に防護ネット(高さ2.0m)を延長設置し、専属の交通誘導員を2名配置して一般車両の途切れるタイミングに合わせた旋回合図を徹底した結果、無事故・無災害で工事を完了した。
2. 品質管理:構造物コンクリートのひび割れ抑制
【工事概要(設定)】 河川改修工事に伴う鉄筋コンクリート造樋門工(コンクリート打設量 V=320m3、側壁厚さ t=800mm)
【現場状況・特有の制約】 施工時期が7月中旬の夏季に当たり、日中の外気温が連日32℃を超過。部材厚が800mmと厚肉であるため、セメントの水和熱による温度応力と乾燥収縮による有害な初期ひび割れ発生リスクが極めて高い現場状況であった。
【技術的課題】 マスコンクリート構造における内外温度差および乾燥収縮に起因する、貫通ひび割れ幅0.2mm以上の発生を確実に防止すること。
【検討事項・理由】 中庸熱ポルトランドセメントの使用可否や打設ブロック割りの細分化、レディーミクストコンクリートの荷卸し時目標温度について生コン工場と事前協議を実施。水和熱上昇を抑制する配合設計を検討した。
【とった処置・具体的対策】 生コン工場において骨材への散水冷却および練混ぜ水にチラー水(5℃)を使用させ、現場荷卸し時温度を28℃以下に管理した。打設後は型枠脱枠時期を材齢7日以上確保し、脱枠直後から透水性保水シートを全面被覆して散水パイプによる連続湿潤養生を5日間継続した。結果、幅0.1mm以上の有害なクラック発生ゼロを達成した。
3. 工程管理:錯綜現場におけるクリティカルパス確保
【工事概要(設定)】 都市部雨水管渠推進工事(泥濃式推進工法 呼び径φ1200mm、L=180m、到達立坑築造1箇所)
【現場状況・特有の制約】 出水期(6月〜10月)前の5月31日までに本管到達および立坑埋戻しを完了させる絶対工期が設定されていたが、先行する地下埋設物移設工事が想定外の硬質地盤により20日間遅延して引き渡された。
【技術的課題】 推進工の開始遅れによる全体工期逼迫を打開し、後続の立坑撤去工を含めたクリティカルパス上の作業を短縮・正常化すること。
【検討事項・理由】 推進機の稼働シフト増(昼夜2交代制)と、到達立坑工の施工順序変更(推進完了前の先行ケーシング削孔)について、近隣騒音規制基準(昼間65dB以下、夜間55dB以下)および安全性を比較検証した。
【とった処置・具体的対策】 掘進作業は低騒音型発電機と防音ハウスを併用し、夜間掘進(20時〜翌5時)を含む昼夜連続作業体制へシフトした。掘削残土の搬出は日中に限定して搬出ルートの混雑を回避した。この工程再編により日進量を1.8mから3.2mへ向上させ、当初遅延していた20日間を完全に挽回し、出水期前の5月20日に全工種を完了させた。