かつて西日本屈指の大動脈としてトラックや観光バスがひしめいていた中国自動車道。しかし、2000年代以降、その風景は一変しました。各地のサービスエリアでテナントの撤退やレストランの営業時間短縮、24時間営業の取りやめが相次ぎ、ネット上でも「中国道のSAが寂れている」「夜中に寄ったら自動販売機しかなかった」といった驚きの声が頻繁に見られます。この劇的な変化をもたらした構造的な理由は、大きく分けて3点存在します。
最大の転換点は、1997年の山陽自動車道全線開通です。中国道は中国山地の険しい尾根筋を縫うように設計されたため、急カーブ(半径400メートル未満が連続)や最大5%に達する急勾配が連続し、冬期には激しい積雪とチェーン規制に見舞われます。これに対し、瀬戸内海沿いを走る山陽道は勾配が緩やかで線形が極めて直線的、降雪リスクも格段に低い設計です。燃料消費を抑え、定時運行を至上命題とする長距離大型トラックや高速バスの多くが山陽道へ一斉にシフトしたことで、中国道の通行量は開通前のピーク時から半減以下にまで落ち込みました。
交通量の激減に伴い、SA・PAの採算性は急速に悪化しました。さらに近年の深刻な人手不足と深夜労働コストの高騰が追い討ちをかけ、NEXCO西日本 サービスエリア 最新情報でも見られるように、各事業者は従来のフルサービス型店舗からコンビニエンスストア(セブン-イレブンやデイリーヤマザキなど)の導入、あるいは券売機・自動販売機によるスマート化・無人化への業態転換を余儀なくされたのです。
現在では、大都市近郊のメガ拠点(西宮名塩SAなど)や地域交通の結節点(美東SAなど)に経営資源が集中し、中間山間部の小規模エリアは割り切った機能特化を図るという「明確な二極化」が定着しています。