インターネット上の掲示板やSNSでは、長年にわたり「鶏もも肉=太る」という言説がまことしやかに語られてきました。しかし、この噂の背景を食品生化学の観点から検証すると、大きな盲点が存在することが分かります。鶏もも肉に含まれる脂質の大部分は、筋肉組織そのものではなく「皮」および「皮下脂肪」に集中しています。
文部科学省が公表している「日本食品標準成分表」によると、皮つきの鶏もも肉(生・100gあたり)はエネルギー190kcal、脂質14.2gに達します。ところが、黄色い皮下脂肪とともに皮を包丁やキッチンペーパーで剥ぎ取るだけで、数値はエネルギー116kcal、脂質3.9gへと激変します。カロリーは約39%減少し、脂質は約73%も削減される計算です。
「もも肉を口にすると太る」と感じていたダイエッターの多くは、皮をつけたまま照り焼きや唐揚げにして調理し、余分な油と糖質を同時に摂取していたケースが大半を占めます。素材そのものの脂質コントロールさえ行えば、鶏もも肉は減量期の主役として十二分に機能します。