保冷剤の再利用において、絶対に知っておかなければならない最大のタブーが「使い終わったジェルをシンク、洗面台、トイレの排水口へ流すこと」です。「ゼリー状で柔らかいから水と一緒に流れるだろう」という思い込みが、水道設備を致命的な破綻へ追い込みます。
高吸水性ポリマーの最大の武器である「水を吸う力」は、排水管の中で猛威を振るいます。下水管へ向かう途中で大量の流水と接触すると、ポリマーはさらに何倍にも膨張して強固なゼリー状のダムを形成します。一般的な油汚れや髪の毛の詰まりであれば市販のパイプクリーナー(水酸化ナトリウム系)で溶かすことができますが、高吸水性ポリマーはアルカリ性のパイプ洗浄剤ではほとんど分解されません。
結果として排水管が完全に閉塞し、汚水の逆流を引き起こして水道修理業者による高圧洗浄や配管脱着工事が必要になります。配管構造によっては壁や床を解体する事態に発展し、修理費用が5万円〜10万円を超える損害トラブルに発展した実例も報告されています。
自治体の分別基準において、多くの地域で保冷剤は「可燃ごみ(燃やすごみ)」に分類されています。乾燥して縮んだジェルは、容器ごと新聞紙に包むかビニール袋に密閉し、必ず一般ゴミとして廃棄してください(※一部自治体では不燃ごみに指定されている場合もあるため、地域の分別ルールを確認してください)。