顔周りの縮毛矯正を経験した読者から最も多く寄せられるのが、「毛先がツンツンと尖り、板のように真っ直ぐすぎて馴染まない」という失敗談です。この現象が起きる背景には、美容師の技術力不足だけでなく、顔周り特有の毛髪構造と薬剤作用のミスマッチが存在します。
一般的に、頭頂部や後頭部の髪に比べて、おでこの生え際やもみあげ周辺の毛髪は太さが半分以下しかありません。産毛に近い細い毛質であるにもかかわらず、美容室のオペレーション都合で「全体のくせ毛用と同じ強いアルカリ薬剤」を一括塗布されてしまうケースが散見されます。細い髪に高アルカリの薬剤が作用すると、わずか数分で毛髪内部の結合が解かれすぎてしまう「過軟化」という状態に陥ります。
さらに致命的なのが、ストレートアイロンを入れる工程でのミスです。生え際の立ち上がりを潰すように根元0ミリから高熱プレスをかけたり、毛先まで均一なテンションで引っ張ったりすることで、髪内部のタンパク質が熱で硬化する「熱変性」を起こします。これが、多くの人を苦しめる顔周り縮毛矯正でピンピンになる決定的な理由です。一度カチカチに硬化した毛髪は、自然なカーブを描く弾力を完全に失ってしまいます。