辻政信とは何者だったのか?「作戦の神様」の栄光とラオス失踪の真相

辻政信とは何者だったのか?「作戦の神様」の栄光とラオス失踪の真相

辻政信とは何者だったのか?「作戦の神様」の栄光とラオス失踪の真相について知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。

1945年8月15日、タイのバンコクで敗戦を迎えた辻は、即座に自らの処刑を予見しました。シンガポールでの華僑虐殺やフィリピン戦線でのバターン死の行進関与など、連合国軍から戦犯(A級・B級・C級)として指名手配されることは確実だったためです。ここから前代未聞の辻政信の逃亡劇の経緯が幕を開けます。

辻は青木憲信という偽名を名乗り、僧侶の袈裟を身にまとってバンコクの寺院に潜伏しました。その後、タイから仏領インドシナ、ハノイを経て中国大陸へと単身脱出を図ります。逃亡の過程で国民党の蒋介石政権関係者と接触し、自らの軍事知識を提供することを引き換えに国民政府軍の庇護を取り付けることに成功しました。敵国中枢すら利用して生き延びるその胆力と生存能力は、まさに規格外でした。

1948年に上海から密かに日本へ帰国した辻は、戦犯追及の手を逃れながら各地の寺院や炭鉱に潜伏します。1950年1月、連合国軍による戦犯追及が事実上解除されると、潜伏中の壮絶な体験を綴った『潜行三千里』を発表しました。この書籍は戦後の荒廃に打ちひしがれていた日本社会で空前のベストセラーを記録し、辻は一夜にして国民的知名度を持つ著名人へと返り咲いたのです。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。