二人の劇的な出会いは、アジア初開催となった1964年10月の東京オリンピックに遡ります。当時21歳だった亜希子さん(旧姓:西村)は、卓越した英語力を買われて各国の要人をアテンドするVIP担当コンパニオンを務めていました。
きっかけは、報知新聞が企画した「オリンピックコンパニオンと球界スターの座談会」でした。対談の席に現れた長嶋茂雄氏は、知性と気品を漂わせる亜希子さんの姿に文字通りの「一目惚れ」を経験します。普段は球場で数万人の観衆を沸かせるミスターが、対談中に珍しく緊張しきりだったというエピソードは、当時の関係者の間でも語り草となっています。
そこからの展開は電光石火でした。出会いからわずか40日あまりで婚約を発表し、翌1965年1月26日には教会で挙式。日本中を驚かせた電撃婚の背景には、「この女性以外に自分の人生を預けられる人はいない」という長嶋氏の揺るぎない直感と猛アタックがありました。