この変革は、体操服を供給する側のスポーツアパレル産業にも巨大な構造変化をもたらした。長年、学校教育市場向けに安定した生産ラインを構築していた主要スポーツメーカーは、現場からの急激な仕様変更要請に直面した。
特に、日本のスポーツ用品大手である株式会社アシックスをはじめとする主要メーカー各社は、現場の意識変化をいち早く察知。従来の密着型ブルマから、男女共通で着用でき、吸汗速乾性や保温性に優れ、脚の露出を抑えたクォーターパンツやハーフパンツへの生産シフトを推し進めた。学校納入品の切り替えは数年間で一気に完了し、旧来型の意匠は製造ラインから姿を消した。
メーカー側にとっても、ジェンダーフリーやプライバシー配慮という時代の要請に応える商品開発は不可避であり、このシフトによって学校教育市場における新たなスタンダードが急速に確立された。