境内の奥まった場所に静かに佇む「夜泣き石」は、篠崎八幡神社が誇る最も神秘的な信仰遺産のひとつです。古くからの言い伝えによると、かつてこの石が夜な夜な赤子のような泣き声を上げ、村人たちを驚かせたとされています。あるとき神官が祈祷を捧げて石を清めたところ、泣き声はぴたりと止まり、それ以来「子どもの夜泣きを代わりに引き受けてくれる守り石」として崇められるようになりました。
この伝説はやがて、母体を守り元気な命を育む安産祈願や子育て・夜泣き封じの信仰へと昇華していきました。現在でも、出産を控えた妊婦や生まれたばかりの赤ちゃんを連れた家族が熱心に手を合わせる姿が絶えません。石の周囲には穏やかな空気が漂い、手で触れながら赤ちゃんの健やかな成長を祈る人々に深く寄り添っています。