彼の真骨頂といえば、やはり観客の緊迫感を極限まで高めるサスペンス映画での名演だろう。映画『デスノート』で見せた重厚で葛藤に満ちた父親像は、今なお多くの映画ファンの記憶に鮮烈に焼き付いている。正義と肉親の情の間で揺れ動く繊細な心理描写は、作品全体の質を一段上のレベルへと引き上げた。
狂気と静寂、慈愛と冷徹。対極にある感情を同一画面の中で同居させる凄みは、他の追随を許さない。鋭い眼光一つでスクリーン全体の空気感を一変させるその技量は、長年にわたる試行錯誤と妥協なき演技論によって研ぎ澄まされてきたものだ。