メガネが顔にしっかり固定される仕組みは、「鼻パッド(2点)」と「両耳(2点)」の合計3〜4点で荷重を均等に分散する力学に基づいています。このバランスがわずかでも崩れると、前方下向きの重力に耐えきれず、メガネはずり落ちてしまいます。
メガネがずれる理由として最も多いのが、日常的な着脱動作による「フレームの広がり」です。特にメガネを片手で外す癖がある人は要注意。テンプルの片側だけに余計な負荷がかかり、左右非対称に広がってしまうことで側頭部を挟み込むホールド力が低下します。
次に無視できないのが「皮脂と汗による摩擦係数の低下」です。鼻梁(びりょう)周辺のTゾーンは皮脂腺が多く、プラスチック製の鼻パッドと肌の間に皮脂膜ができると、滑り台のようにツルツルと滑り落ちてしまいます。さらに、度数の強い厚いレンズを使っている場合は重心が前方に偏るため、少しの振動や下向きの視線移動だけでもズレが加速します。