「実験したのに白い糸が出てこない」「泡ばかり立って何も見えない」というトラブルを防ぐためには、作業ごとのコツを把握しておく必要があります。失敗を招く主な原因と対策を整理しました。
① すり鉢での粉砕は「優しく丁寧」が鉄則
すり鉢とすりこぎを使う際、強い力で激しく長時間すりつぶし過ぎるのは逆効果です。物理的な強い摩擦力によってDNAの長大な分子構造そのものがズタズタに引きちぎられてしまい、エタノールを入れても綺麗に絡み合わなくなります。花蕾の粒々が崩れてペースト状になる程度にとどめるのが最適な加減です。
② 洗剤を入れた後は絶対に泡立てない
抽出液を作るときに激しくかき混ぜると、界面活性剤が泡立ってしまいます。泡の膜の中にDNAが巻き込まれてしまうと、エタノール層とのきれいな境界面が作れず、観察が困難になります。食塩と洗剤を混ぜる際は、スプーンの背で静かに円を描くように優しくなじませるのがポイントです。
③ エタノールはビーカーの壁面を伝わせて「静かに注ぐ」
エタノールと抽出液が混ざり合ってしまうと、濃度勾配が崩れてDNAがうまく集まりません。容器を少し斜めに傾け、ガラス棒やスポイトを使って側面に沿わせるようにゆっくり注ぐことで、密度の重い抽出液の上に軽いエタノールが重なり、美しい2層構造が完成します。その境界線から次々と白いDNAが浮上してきます。