完全詠唱の黒棺がこれほど長年にわたりファンの心を掴んで離さない最大の原動力は、アニメーション演出と声優・速水奨氏による魂を揺さぶる演技力にあります。アニメ第308話「さよなら…乱菊」における放映当時、リアルタイムで視聴していたファンの間には息を呑む静寂が広がりました。
ネット上の掲示板やSNSでは、放映直後から「低音の美声が不気味すぎて鳥肌が止まらない」「厨二心をここまで高貴に昇華できる声優は速水奨さんしかいない」といった熱狂的な書き込みが殺到。現在でもYouTube等の公式PVやアニメ配信サービス、スマートフォン向けアクションゲーム『BLEACH Brave Souls(ブレソル)』において黒棺のボイスが実装されるたび、国内外のタイムラインが絶賛の声で埋め尽くされます。
速水奨氏はこのシーンにおいて、怒号や叫びをあげて威圧するのではなく、「絶対的な勝利を疑わない神の視点」から、静謐かつ淡々と呪文を紡ぎました。感情の起伏をあえて抑えた冷徹な声のトーンが、かえって呪文に含まれる狂気と言葉の質量を際立たせる結果をもたらしたのです。この凄まじい対比演出こそ、何年経っても色褪せない神回を生み出しました。