ネット上の情報やSNSでは、「イラレは絵を描くソフトで、フォトショは写真を加工するソフト」「初心者は操作が直感的なフォトショップから入るべき」といった単純化された言説が散見されます。しかし、ここにはいくつかの落とし穴が存在します。
まず、「イラストレーター=イラストを描く専用ツール」という認識は誤解です。実務におけるイラレの真価は、文字組み、幾何学的な図形描画、正確なサイズ指定が求められる情報レイアウト(デザイン設計)にあります。むしろ水彩画や厚塗りのような絵画的タッチのイラストを描く場合、ブラシ表現が豊富なフォトショップやCLIP STUDIO PAINTの方が適しています。
また、操作難易度の面でも「フォトショップの方が簡単」とは一概に言えません。イラレの「ペンツール(ベジェ曲線)」操作に最初は誰もが苦戦しますが、ベクターの概念さえ掴めば、図形の整列や文字の打ち替えはイラレの方が極めて合理的かつスピーディーに処理できます。