集英社の「別冊マーガレット」で連載され、累計発行部数数千部を誇る原作を、日本のエンタメ界を牽引する東宝が完璧なスケール感で映像化した本作。実写映画の成功例として今なお名前が挙がる理由は、原作の繊細な心理描写を一切損なうことなくスクリーンへ定着させた制作陣の美学にある。
特に、登場人物たちが交錯する切ない恋愛模様の描写は秀逸で、胸を締め付けるストーリーラインと美しい映像美が見事に融合していた。登場人物それぞれの葛藤を丁寧に紡ぎ出した演出手法は、その後の邦画恋愛映画のトレンドを大きく左右したと言っても過言ではない。