犯行の拠点となったのは、埼玉県熊谷市に位置するペットショップ「アフリカケンネル」だった。アラスカン・マラミュートをはじめとする大型犬や希少犬種の輸入・繁殖で名を馳せ、業界内でも高い知名度を誇っていた。
この巨大な犬舎を経営していたのが、元経営者の関根元と、その元妻である風間博子である。関根は類まれな話術と犬に関する豊富な知識を持ち、客や周囲の人間を魅了する一方で、裏では粗暴で残虐な顔を隠し持っていた。一方の風間もまた、経理や業務を仕切りながら関根の狂気をビジネスとして成立させていた。二人が築いた「アフリカケンネル」は、表向きは愛犬家が集う華やかなサロンでありながら、一歩足を踏み入れれば誰も逃れられない死の密室へと変貌していったのだ。