調理時に長ネギの青い部分を捨てるか食べるかという問いに対し、栄養学的な見地から導き出される答えは「絶対に食べるべき」の一択です。そもそも植物学・栄養学の分類において、土の中で日光を浴びずに育った白い「軟白部」は淡色野菜に分類されるのに対し、太陽光を存分に浴びて光合成を行った青い「葉身部」は緑黄色野菜に区分されます。1本の野菜でありながら、部位によって全く異なる栄養特性を持っているのです。
文部科学省が公表する「日本食品標準成分表」の最新データを突き合わせると、その差は歴然としています。体内でビタミンAに変換されて粘膜や皮膚の健康維持、免疫機能に関与するβ-カロテンの含有量は、白い部分の約200倍以上に達します。さらに、骨の形成に不可欠なカルシウムは約2.5倍、抗酸化作用を持つビタミンCや余分な塩分の排出を促すカリウム、造血を助ける葉酸も青い部分に偏って凝縮されています。
ネギ特有のツンとした香り成分である「アリシン」は白い部分に多く含まれますが、ビタミン・ミネラル類の総量で比較すると青い部分の優位性は揺るぎません。長ネギの青いところを切り落として捨てる行為は、サプリメント級の栄養素を自らゴミ箱へ流し込んでいるのと同じと言えます。