端的に結論を述べると、イモリは「両生類(有尾目イモリ科)」に分類されます。これに対して、民家の壁などで見かけるヤモリは「爬虫類(有鱗目ヤモリ科)」であり、両者は分類階級の「綱(こう)」のレベルで明確に分かれています。
なぜここまで混同されやすいのかといえば、細長い胴体に4本の脚、長い尾という外見のシルエットが極めて酷似しているためです。しかし、進化の系統樹を遡ると、両生類は約3億6000万年前に陸上へ進出した初期の四肢動物の系統を受け継いでおり、皮膚呼吸に依存するため水辺を離れて生きることはできません。
覚え方として古くから知られているのが、漢字表記に込められた生活圏の違いです。 水田や井戸の水質環境を守る存在として名付けられた「井守(イモリ=水辺の両生類)」に対し、家屋に寄り付く害虫を捕食して家を守る存在が「家守・屋守(ヤモリ=陸生の爬虫類)」です。名前に刻まれた漢字の由来を知るだけでも、その生息環境の違いを直感的に把握できます。